【ロシア語の時間関連表現の前置詞】назад, перед, через, после, спустя, с, до, по, за, на

ロシア語の時間関連表現の前置詞 назад, перед, через, после, спустя, с, до, по, за, на

ロシア語の「〇時から〇時まで、食前、仕事の後、朝食の最中」など時間の区切りやイベントの前後関係を示す表現は前置詞と共に用いられます。この記事では、時間の表現で用いられる前置詞をいくつかのグループに分けて一覧にし、分かりやすく解説します。〇時間後のような表現を理解するには、ロシア語の数の数え方や時間の表現をまず知る必要があります。まだ数の数え方や時間表現を学んでいない方は、先に以下の記事をお読みください。
関連記事:物の数の数え方と数詞・順序数詞1~20
関連記事:時間表現をマスター!ロシア語で何時何分って言える?

時間や出来事の前後を表す前置詞一覧

ロシア語 英語 日本語
наза́д ago ~前に 対格 + назад
пе́ред before ~前に перед + 造格
че́рез in ~後に через + 対格
по́сле after ~後に после + 生格
спустя́ after, later ~経って 対格 + спустя
  • Десять лет назад они поженились.(10年前に彼らは結婚した。)
  • Примите таблетку перед завтраком.(朝食の前に薬をのんで下さい。)
  • Я позвоню тебе через час.(1時間後に電話するよ。)
  • Они встретились в баре после работы.(彼らは仕事の後にバーで会った。)
  • Четыре года спустя компания обанкротилась.(4年経ってその会社は破産した。)

назад, через, перед, после, спустя の違いと使い分け

  • назад, через, спустя は 数を伴う具体的時間の前後を表す時に用いる前置詞。
    例:10分前、3年後
  • спустя は「〇〇過ぎて、〇〇経て」のように時間の経過を強調する際に用いられる。
  • перед, после はイベントや行為の前後を表す時に用いる前置詞。数ではなく名詞と共に用いる。
    例:寝る前、放課後
  • назад は тому を伴って、тому назад と表現されることもある。десять лет назад と десять лет тому назад はどちらも同じ「10年前」という意味だが、最近は тому は省略されることが多い。

【期間を示す表現】~の間

~の間 в тече́ние + 生格
в продолже́ние + 生格
на протяже́нии + 生格
во вре́мя + 生格

「夏の間、8時間もの間」のように「〇〇の間」を表す表現は複数ありますが、во время は「〇時間もの間、〇日の間」のように数を伴う表現には使えません。「朝食の間」のように名詞と共にのみ用いられます。

  • Мы ждали в парке в течение длительного времени.(私達は公園で長い時間待った。)
  • Я работал в продолжение всей недели.(私は一週間ずっと働いた。)
  • Я был учителем на протяжении пятнадцати лет.(私は15年の間ずっと教師だった。)
  • Во время завтрака они молчали.(彼らは朝食の間ずっと沈黙していた。)

【期間を示す表現】~かけて

期間を表す表現は通常は不完了体が用いられますが、за と на  の場合は完了体で表します。на は「一日かけてやる予定」のように行為が完了する期間を未来形で表す時に用いられます。
関連記事:不完了体動詞と完了体動詞の違いと使い分け

~かけて за + 対格
на + 対格
  • Он сделал домашнее задание за два часа. (彼は2時間かけて宿題をやり終えた。)
  • Я закончу это задание на день.(私はこの課題を丸一日かけて終わらせる予定だ。)

【期間を示す表現】~から~まで

「5時から10時まで、朝から夜まで」のように「~から、~まで」を表す際は、с と до を用います。по を用いて「~まで」を表すこともあります。

ロシア語 英語 日本語
с since ~から с + 生格
до until, up to ~まで、~までに до + 生格
по until, up to ~まで、~までに по + 対格
  • Я живу здесь с прошлого года.(私は昨年からここに住んでいる。)
  • Моя мать до замужества работала в аэропорту.(私の母は結婚するまで空港で働いていた。)
  • Вернитесь домой до полуночи.(深夜0時までに帰宅してください。)
  • Она не придёт до десяти часов.(彼女は10時まで来ない。)
  • Я учился в Бостоне с 2003 по 2007 год.(私は2003年から2007年までボストンで学んでいた。)

до と по はどちらも「~まで」の意味を表しますが、厳密な時を表したい時は по が用いられることが多いようです。「2000年まで」のように年の場合も通常 по が用いられます。

【複数の前置詞を用いた表現】〇〇の〇分前、〇〇の〇時間前

「出発の1時間前に」のようにある特定のポイントから換算した際の前を示したい時は「за (対格) + до (生格) 」で表します。

  • Турист прибыл в аэропорт Нарита за десять минут до вылета.(その旅行者はフライト時刻の10分前に成田空港に到着した。)
  • Студент простудился за день до экзамена.(その生徒は試験の1日前に風邪をひいた。)

【複数の前置詞を用いた表現】〇〇の〇分後、〇〇の〇時間後

「死後1時間後に」のようにある特定のポイントから換算した際の後を示したい時は「через (対格) + после (生格) 」で表します。

  • Мужчину нашли через три дня после смерти.(その男性は死んで3日後に発見された。)
  • Они поженились через год после знакомства.(彼らは知り合って1年後に結婚した。)

時間関連表現の前置詞と併せて、ロシア語の月や曜日、季節などを用いた表現も覚えておくと便利です。以下の記事も参考にしてみて下さい。
関連記事:ロシア語の月・曜日・季節・特定の日や瞬間の表現