【ロシア語学習】可能の表現 мочь と уметь の違いと使い分け

ロシア語学習 可能の表現 мочь と уметь の違いと使い分け

「〇〇ができる」のように可能の意味を表したいとき、ロシア語では мочь や уметь を用いて表現します。この記事では、мочь と уметь の使い方や違いについて解説します。

ロシア語可能の表現 мочь

мочь の変化

мочь は現在形も過去形も不規則変化します。まずは以下の表を丸暗記しましょう。

不定形 я ты он/она/оно мы вы они
мочь могу́ мо́жешь мо́жет мо́жем мо́жете мо́гут
過去形
男性 女性 中性 複数
мо́г могла́ могло́ могли́

мочьの使い方

「〇〇できる」と言いたい時は、「мочь+ 動詞不定形」です。「〇〇できない」と不可能の意味を表現する場合は、「не мочь + 動詞不定形」になります。

  • Я не могу сегодня пойти на работу.(私は今日は仕事に行けない。)
  • Могу я поговорить с вами сейчас?(今お話しできますか?)
  • Он не мог ходить в школу из-за бедности.(彼は貧しさのせいで学校に行けなかった。)
  • Мы не могли ему помочь.(私たちは彼を助けることができなかった。)

ロシア語可能の表現 уметь

уметь の変化

уметь は第一変化動詞です。

不定形 я ты он/она/оно мы вы они
уме́ть уме́ю уме́ешь уме́ет уме́ем уме́ете уме́ют

уметь の使い方

уметь を使って「〇〇できる」を表す場合、「уметь + 動詞不定形」です。「〇〇できない」と否定の意味の場合は、「не уметь + 動詞不定形」になります。уметь の後に続く動詞不定形は不完了体動詞のみです。完了体動詞が уметь とともに使われることはありません。

  • Девочка умеет кататься на велосипеде.(その少女は自転車に乗れる。)
  • Он умеет очень хорошо рисовать.(彼はうまく絵を描ける。)
  • Она не умеет хорошо готовить.(彼女は料理がうまくできない。)

мочь と уметь の違いと使い分け

мочь と уметь をそれぞれ例文でみてきましたが、両者の違いに気づきましたか?この二つの違いは主に以下の通りです。

мочь ⇒ 状況や事情に基づく可能。生まれつきの身体的または精神的能力に基づく可能。お願いに対する可能。

уметь ⇒ 後天的に身につけた能力・スキル・知識に基づく可能。

  • Самолёт не может вылететь из-за погоды.(天候のせいで飛行機が飛べない。)
    ⇒ 飛行機が飛べないのは天気という事情のせいなので、мочь
  • Летучие мыши могут видеть в темноте.(こうもりは暗闇で見ることができる。)
    ⇒ こうもりが暗闇でも見えるのは生まれつきの身体能力なので、мочь
  • Ты можешь перезвонить позже?(後で電話できる?)
    ⇒ 電話をかけて欲しいというお願いに応えられるかを訊いているので、мочь
  • Он умеет играть на гитаре.
    ⇒ ギターを弾けるのは、後天的に身に着けたスキルなので、уметь
  • Я умею водить.(私は運転できる。)
    ⇒ 車は習わないと運転できないので、уметь

ロシア語を勉強していると、この使い分けのルールに必ずしも当てはまっていないケースにもよく遭遇します。なので、絶対法則というよりは基本的なルールととらえるとよいと思います。